手紙に思ひを添える…
書き上げた瞬間、大きな息がこぼれた。
翌朝、もう一度読み直してから、便箋を畳む。
それを、礼紙に包んで三つ折りにし、上下の余った紙を三角形に折り畳んで立て文にした。
礼紙に包む時、庭に咲いていたハナニラを一輪添えた。
ハナニラの花言葉は、「別れの悲しみ」である。
最後、名前に、脇付で「みもとに」と書き添えた。
最近はほとんど使わなくなった言葉だけれど
「あなたのおそばに」という意味で昔の人は使ったという。
手紙を送る相手はお茶の先生なのだから、そのくらいの礼は尽くした方がいいと思った。
【本:ツバキ文具店(著:小川糸)】
《お手紙代筆いたします》
今あの方に伝えたい思い…代筆いたします。
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